「言葉にして伝える技術」 田崎真也氏 祥伝社新書
私もワインを少しかじったことがありますがソムリエを初めとするワイン業界関係者はかなり感覚が鋭いと思います。特に嗅覚を意識的に使いますね。そのためか、私も香りには結構敏感です。しかし、この感覚を言葉を使って表現するのはかなり難しいです。以下、私が尊敬する田崎氏の著作から気に入った箇所を又は使えそうな箇所を挙げてみました。
1.その言葉は、本当に「おいしい」を表現できているか?
実際には味わいを伝えていない常套的表現が多い(バターを贅沢に使った・肉汁がじゅわっと広がる)
先入観で美味しいと思い込んでいる表現(手作り・厳選素材・オーガニック等)
日本的なマイナス思考による表現(くせがなくて美味しい・食べやすい・飲みやすい等)
→全国新酒鑑評会は減点方式で採点のため、日本酒が画一的な味になってしまった。
2.味わいを言葉にして表現する
感覚を言語として記憶する
ワインの分析は共有できる言葉を使うこと
五感のうち人間は視覚と聴覚に多くを頼っているがその他の感覚、特に嗅覚を用いると記憶に役立つ。
→新しい能力を開拓できるかもしれない。
親や教育者は子供に五感を磨くサポートをするべき。
ワインの香りも植物の一生と同じ経過をたどる。果実味豊か(フルーティー)から枯葉や腐葉土のような香りへ変化。
3.五感を鍛える
物事を多角的・多面的に感じる能力が優れてくるとそれを表現するための言葉が増えてくる
→洞察力に優れ、表現力が豊かになるということは同時に感受性が豊かになることにもつながる。
→その結果、人の気持ちを察することもできて、相手への気遣いや思いやりも生まれてくる。
五感を有効に使って感じることで発想力や想像力が広がり、心豊かになれる。
俳句には視覚・聴覚で感じたことは多く詠まれているが嗅覚で感じたことは極端に少ない。
嗅覚で感じたことを直接具体的に表現する方法が日本には習慣としてなかった。
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